第一幕 Encounter 第一話 死者の剣  血の臭いが鼻を衝く。  シャスは牢屋の片隅で俯いたまま座っていた。 「何で・・・・・・」  シャスは小さな声で呟いた。 「誰も悪くないのに! どうしてこんなことを……? なぜ人を捕らえる?」  最初の言葉は強い感情が込められていた。  声は外に聞こえているのだろうか?牢屋の中で響く。  それは数時間前のことだった。  人々が平和に暮らしているところに、謎の鎧を着た男たちが押し寄せてきた。  人々は震え、脅えながら一人ずつ牢屋に入れられた。  牢屋は広い荒野の向こうにある、いかにも怪しげな建物の中にあった。  村に住んでいる人口を知っていたのだろうか、一人がやっとは入れるくらいの牢屋が人数分あった。 その中にいくつかの空きがあった。  男たちに反抗した後殺されたものたちの分だ。  子は親から引き離され、泣き続けた。  シャスもまた一人だった。  母はシャスが幼い時に他界、父は男たちに反抗して、帰ってこなかった。  コト・・・・・・  何かが落ちてきた。  シャスはそれを手に取った。  赤いガラス玉だった。  その時、声が聞こえてきた。 『力を貸そう』  シャスは驚いて辺りを見回した。しかし、誰もいない。 『残念だが、俺の姿はお前には見えない。訊いているのは力を借りるかどうかだ。』  その声ははっきりとはしていた。青年の声だった。  シャスは訊いた。 「力を貸すとは、どういうこと?」 『お前をここから出す。もちろん他の者達も。そして外にいる男たちも始末してやる』  シャスは驚いてまた訊いた。 「本当に・・・・・・?」 『ああ、本当だ』  シャスはその青年の言葉を信じることにした。 「じゃあ、僕は何をすれば・・・・・・」  シャスが言い終わる前に青年の答えが返ってきた。 『ガラス玉を握ればいい。それだけだ。』  シャスは言われたとおり握った。すると驚いたことに、ガラス玉は紅い剣へと形を変えた。  そして、体の中に誰かが入ってきたような、そんな気がした。  シャスは立ち上がり、いとも簡単に剣で牢屋を破った。  そしてこう呟いた。 「まずは男たちからか・・・・・・」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― どうでしたか? その前に読んでくれる人がいるのか・・・(汗) シャスは主人公の男の子です。 今回は少し短かったかな。と思っています。 次回からは少し長くしていこうと思ってます。 応援夜しくお願いします。