第3幕 remembrance 第17話 夢の中の死 夢の中で死んだら、 現実に引き戻されるだけだが、 現実の死は、 夢の中には戻れない……。  シャスは、はっとして目を覚ました。  まだ日がさしている、太陽の位置も動いていない。    クレナイのほうに目をやる。クレナイの笑顔は、苦痛の顔に変わっていた。  息が荒い、そして目元には涙が滲んでいる。 『うわぁっ』  突然、叫び声をあげてクレナイが目を覚ました。大量の冷や汗を流している。 「どうしたの」  シャスが心配そうにクレナイに訊く。 『あ、ああ……。また、夢の中で死んだみたいだ……』 「夢の中で死んだって」  クレナイの言葉に、シャスが目を丸くして訊いた。 『ああ、詳しく言えば、過去にあったことをすべて見た』  クレナイが言った。 「僕も、少し見たよ。クレナイの夢」  それを聞くと、クレナイは目を丸くした。 『じゃあ……、ヴァーギルも見たのか』  シャスは頷いた。 「少しだけだけど」  そのまま、しばらく沈黙が続いた。 (そう言えば……、天界ってどんなところだろう……)  シャスはふと思った。 (行って見たいかも……)  クレナイはシャスの体に入っていない、だから、シャスが考えていることも分からない――。  がさっ  草むらで小さな音がした。シャスは気がつかなかったが、クレナイはすぐに気がついた。 『シャスッ』  クレナイはとっさにシャスの体の中に入った。  その瞬間。 ターン  銃声が響いた。そして、シャスの胸を貫く。  幸い、クレナイが入っていたので、傷はすぐに治った。  そして、前回あったときと同じように、姿がクレナイへと変わっていく。 「ちっ。逃がしたか」  草むらから声がして、男が姿を現した。男はクレナイを見ると目を丸くした。 「な、何だお前は……。さっきはいなかったはずだぞ……」 「見えてなかっただけだ」  クレナイは冷たい声で言った。 「さっき、何をしようとした」  クレナイが聞いたが、男は恐怖で声が出せなかった。  シャスはというと、クレナイと立場が変わり、幽体になっていた。  すると、突然誰かに腕を引っ張られ、体を抜け出していった。 「なっ。ク、クレナイ――」  シャスの声はクレナイに届かない。シャスは体からどんどん離れていく。  シャスは腕を引っ張っている誰かを見ようと顔を上げた。が、しかし、まぶしい光が目に入り、気を失ってしまった。  男はあせって逃げていく。 「シ……シャス……どこに行ったんだ」  クレナイはシャスがいないことに気がつき、あたりを見回したが、シャスはどこにもいなかった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 第17話完成。 制作が遅くなり、すいませんでした。 夢といえば、昨日すごく怖い夢を見ました。 その夢の中に出てきたものを本で占ってみました。 怒る……気持ちが高ぶっている。誰かを怒っているときは、その人を誤解している証拠。       →いや、誰なのかはわからないし……。 追われる……大人になろうとしている。追ってくるのは大人の象徴。          →ありえないありえない×100 拳銃……何かを恐れている。男性的なエネルギーにあこがれている。       →納得できるかも…… 椅子……きれいに並んでいたら、何かを決断するべき時が近づいている。       →確かにきれいに並んでた。何を決断すれば……。 怖い人……あなたの中の嫌な一面を象徴している。        →えっっっ!?拳銃持ってて、撃ってくる人がぁ!?ありえないありえない×100 死んだ人……人が死ぬ夢は、その人にこだわりがなく、新たな関係が生まれる暗示。          →誰か分からない……緑の服着た短い髪の男の子でした。それしか……。 と、以上です。いや、信じられないことが多すぎ、ちなみに診断したところ、正夢の可能性があるようです。ありえないありえない×100。 では。